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作家の悩み百選 No.085

経歴に書ける実績が、まだ無い

「経歴に書ける実績が、まだ何もない」。実績が無いと作品は選ばれないのかを、数字と外から見た感覚で確かめます。

明るいアトリエの木の机に、白紙のノートと描き上げた作品が置かれている

こんな悩みはありませんか

「経歴に書ける実績が、まだ何もない」

プロフィールを書こうとして、手が止まる。受賞歴も、個展の経験も、まだ書ける行が無い。

ほかの作家の経歴を見ると、受賞や展示の記録がずらりと並んでいる。自分の欄だけが空いているようで、作品を出す勇気が出ない。

経歴が空いていると、作品まで軽く見られる気がする。そう感じて、プロフィールの欄を閉じてしまう方もいます。

けれど、どんな作家にも、経歴の欄が空いていた時期がありました。最初から並んでいた人は、1人もいません。

ここで、ひとつ考えてみてください。実績が無いから見せないのか。見せていないから実績が無いのか。

実績は、作品を人に見せた記録の積み重ねです。見せる場が無ければ、いつまでたっても1行目は書けません。

最初の1行は、誰にとっても小さなものです。大きな賞でなくても、作品が誰かの目に触れた事実が、立派な1行になります。

実績は、
見せた回数から生まれる。

あなたは、実績ができるのを待って、作品を見せるのを先送りにしていませんか。

実績を待っていると、どうなるか

作品を買う人が経歴をどれだけ見ているか。全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

ただ、実績を積む入口が限られていることは、多くの作家が感じていることでしょう。

画廊での個展は、経歴の代表的な1行です。ただ、その入口に通れる作家は多くありません。

入口が広がるのを待つだけでは、経歴の1行目はなかなか書けません。

限られた入口が開くのを待つだけでは、経歴の欄は空いたままです。そして、空いた欄を理由に作品を見せなければ、実績はさらに遠のきます。

実績が無いから見せない。見せないから実績ができない。この堂々めぐりから、まず抜け出す必要があります。

実績は、誰かに与えられるのを待つものではありません。自分で作品を見せる場をつくり、積み上げていくものです。

待つほど、
経歴の1行目は遠くなる。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白い部屋で、壁に掛けられた色あざやかな作品を見つめる人の後ろ姿
作品そのものと向き合う瞬間(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めて、アートを買いました。実物の作品の前に立ち、一目惚れしたのです。

そのとき心を動かされたのは、原画の力でした。作品そのものが持つ力を、思い知らされました。

外から見ていて、強く思うことがあります。売れていない作家の中にも、本当に素敵な作品を描く人はたくさんいるということです。

その作品は、劣っているから届いていないのではありません。まだ、新しい市場に届いていないだけです。

一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあります。一般的な価格の作品なら、買える人はたくさんいます。

その人たちは、経歴より先に作品そのものを見るのではないか。これも、このあと数字で確かめます。

経歴の欄が空いていても、作品に力が無いとは限りません。見る人の前に置かれたとき、作品の力は初めて試されます。

作品の力を信じるなら、経歴が整うのを待つ理由はありません。作家自身が本気になり、作品を見る人の前へ出していくことが欠かせません。

経歴が空いていても、
作品は語り始める。

答え合わせ:買う人は、経歴を見ているか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、作品を買う人が作家の経歴をどれくらい見ているのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

わたしが作品を買ったとき、作家の経歴は知りませんでした。作品そのものに、心が動いたのです。

「足りないのは実績ではなく、出会う機会」という感覚は、今回は確かめられませんでした。それでも、出会いがなければ、実績の1行目も生まれません。

お店に1点飾られた。知らない人が1点を選んでくれた。そうした小さな出来事も、立派な経歴の1行です。大きな賞を待つより、小さな1行を積み重ねるほうが、作品はずっと早く人に届きます。

これから伸びていく作家を、応援したいと考える人もいるはずです。

作品が選ばれれば、それがそのまま経歴の1行になります。「お店に飾られた」「海外の方が作品を迎えた」。そうした事実が、次の出会いを呼びます。

経歴が短いことは、これから書き足せる余白が大きいということでもあります。

最初の1行が書けたら、2行目はもっと早く訪れます。見せる場所が増えるほど、出来事も増えていくからです。

選ばれた事実が、
いちばん確かな経歴になる。

7ARTSで、一緒にできること

明るい美容室の白い壁、鏡の横に飾られた色あざやかな作品
作品が飾られた場所が、経歴の1行になる(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。受賞歴や経歴そのものを、7ARTSが作ることはできません。

そのうえで、作品が人の目に触れ、記録が残る場所を、一緒につくることはできます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。経歴の欄が短くても、作品を載せておけば、見た人から購入やオファーが届きます。

作品証明書の仕組みもあり、作品の確かな記録が残ります。

どの作品を並べ、どんな言葉を添えるかは、作家自身が決めるところです。自分のページに作品を並べたこと自体も、作品を世に出した記録の1つになります。

7ARTSは、福岡のギャラリーの店先で、作家の作品を紹介しています。モン・サン=ミッシェルでは、展覧会も開きました。作品を人に見てもらう場は、経歴の1行が生まれる場でもあります。

経歴の1行目は、待っていても届きません。作品を見せる一歩を、一緒に踏み出しましょう。

1行目は、
今日の一歩から書ける。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。これまで作品を見せた記録を書き出す、自信のある作品を自分のページに並べる、作品に起きた出来事を経歴に書き足す
今日、作家がやること

まず、これまでに作品を人に見せた記録を、小さなことも含めて書き出してみてください。グループ展、知り合いのお店、学校の展示。どれも大切な記録です。

書き出した記録は、そのまま経歴の下書きになります。小さな記録でも、書き方しだいで立派な1行です。

次に、自信のある作品を3点、自分のページに並べます。

最後に、これから作品に起きた出来事を、そのつど経歴に書き足していきましょう。飾られた場所、届いた感想、作品を迎えた人の住む国。

書き足す出来事は、大きなものでなくてかまいません。

経歴は、作品を見せ続けた人の手元に、少しずつ積み上がっていきます。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 日本のアート市場:文化庁「The Japanese Art Market 2024」(Arts Economics・Clare McAndrew)
  • 作家の数:文化庁資料(2020年)/ギャラリー・画商などの数:文化庁「The Japanese Art Market 2025」(2024年時点・骨董店なども含む)
  • ギャラリーの場所(66%が関東・うち59%が東京):文化庁「The Japanese Art Market 2024/2025」
  • 買った理由:「日本のアート産業に関する市場調査2021」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(文化庁委託事業)