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作家の悩み百選 No.082

個展の準備と片付けに、1か月

「個展の準備と片付けに、1か月かかる」。個展にかける時間と、会期が終わったあとの作品の行き先を考えます。

明るいギャラリーの床に、搬入前の作品が壁に立てかけられて並んでいる

こんな大変さはありませんか

「個展の準備と片付けに、1か月かかる」

会場を決め、作品を選び、額を整える。案内を送り、搬入し、会期中は在廊する。

会期が終われば、搬出して作品を持ち帰り、お礼の連絡をする。気がつけば、前後で1か月が過ぎている。

個展は、作家にとって大きな舞台です。だからこそ準備に力が入り、終わったあとはどっと疲れが出ます。

その間、新しい作品にはほとんど手が付けられません。個展のたびに、制作が止まってしまう作家の方は多いと思います。

ここで、ひとつ考えてみてください。会期が終わったあと、作品はどこで見てもらえていますか。

1か月をかけた個展も、会期は準備にかけた時間よりずっと短いものです。会期が終われば、作品は再び部屋に戻ります。

1か月かけた個展も、
幕はすぐに下りる。

あなたは、個展のあとの作品の行き先を、決めていますか。

個展だけに頼ると、どうなるか

個展の準備にかかる時間を、全国で調べた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

ただ、個展の準備に追われた経験は、多くの作家が持っているはずです。

会場を押さえ、作品を選び、額を整え、案内を送る。会期が終われば、搬出と片付けが待っています。

地方の作家なら、搬入や在廊のために遠くへ通うことも加わります。1回の個展に、制作とは別の1か月が消えていくのです。

作品を運ぶとなれば、移動の時間や手間も重なります。

限られた会場を押さえ、遠くへ通い、1か月をかける。それを年に何度も繰り返すのは、簡単ではありません。

個展だけが、作品を見てもらう場になっていませんか。そうだと、個展を開けない期間は、作品が誰の目にも触れなくなります。

手間は大きく、見てもらえる期間は短い。その差を埋める方法を、考えておく必要があります。

個展のない月も、
作品は見てもらいたい。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白い壁のギャラリーで、作品を壁に掛ける準備をする人の手元
個展の準備の時間(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めてアートを買いました。実物の前に立ち、原画の力を思い知らされたのです。

百貨店や画廊の今までの売り方は、これからも大切に続いてほしいと思っています。個展のように実物を見てもらえる場も、その一つです。

一方で、外から見て気になることもあります。一般の人には、アートに出会う場所が少ないということです。

個展に足を運ぶのは、もともとアートが好きな人や、作家の知り合いが中心になりがちです。会期の外にいる人には、作品は届きません。

欲しいと思えば作品を買えるお金を持っている人は、たくさんいます。足りないのは、アートを見てもらえる環境です。

個展の会期は、その環境が開いている、限られた時間です。会期が閉じたあとも開いている場所があれば、出会いの数はもっと増えるはずです。

会期の外にいる人にも、作品と出会える場が要ります。

個展をやめる必要はありません。今の見せ方を壊すのではなく、会期が終わっても作品が見られる場所を、もう1つ増やす。それが、わたしの考えです。

個展は残し、
会期のない場所を足す。

答え合わせ:1か月の準備は、報われているか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、個展1回あたりの来場者や、売れた点数をまとめた全国の調査には、たどり着けませんでした。

それでも、実物を見せる場が、作品の力をいちばん伝えられる場であることは変わりません。

「実物の場は大切。ただ、出会える人は限られる」という感覚は、今回は確かめられませんでした。個展に来る人の数を測った数字が無いからです。

会期の外にいる人へ作品を届ける道を持つ。そうすれば、個展のために整えた作品や写真や言葉が、会期が終わったあとも働き続けます。

会期の数日に来られる人は限られます。会場に来られない人のほうが、ずっと多いのです。

個展で実物を見てもらい、会期のあとも作品が見られる場所につなぐ。そうすれば、1か月の準備は、会期のあいだだけで終わらなくなります。

個展に来られなかった人にも、作品が届く。準備にかけた時間が、長く実を結ぶ形です。

実物の力と、会期のない場所。2つを組み合わせることで、個展の価値はもっと大きくなります。

1か月の準備を、
会期の外まで生かす。

7ARTSで、一緒にできること

通りに面した明るいギャラリーの店先のガラス越しに、色あざやかな作品が見える
会期の外でも、作品が見える場所(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。個展の準備や搬入、片付けそのものを軽くすることはできません。

7ARTSが一緒にできるのは、会期のあとも作品が見られる場所をつくることです。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。個展に並べた作品を載せておけば、会期が終わっても、見た人から購入やオファーが届きます。

サイトは5か国語で表示できます。会場に来られない海外の人にも、作品を見てもらえます(解決策2 外国語表示)。

作品を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

飾った姿の絵は、個展に来られなかった人が、作品の雰囲気をつかむ手がかりにもなります。

個展の作品が、会期のあとも見られ、選ばれる。準備にかけた1か月は、そこで初めて報われます。

福岡のギャラリーでは、通りから見える店先で、作家の作品を紹介しています。

個展の準備は、作家にとって大切な仕事です。その仕事の実りを、会期の外まで広げる場所を、一緒につくっていきましょう。

会期が終わっても、
作品の居場所は残る。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。個展に並べる作品を一覧にする、写真と一言の説明を残す、会期の前に自分のページに並べる
今日、作家がやること

次の個展、または前回の個展に並べた作品を、一覧に書き出してみてください。

一覧があれば、次の個展の準備も早くなります。どの作品を出したか、すぐに分かるからです。

次に、その作品の写真を撮り、1点ごとに一言の説明を添えます。会場で来た人に話したことを、そのまま書けば十分です。

会場でよく聞かれた質問への答えを、そのまま説明にするのもおすすめです。

最後に、その作品を自分のページに並べましょう。会期が終わる前に載せておけば、会場で出会った人も、あとから見返せます。

会期の前に並べておくだけで、1か月の準備が、会場の外でも働き始めます。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 日本のアート市場:文化庁「The Japanese Art Market 2024」(Arts Economics・Clare McAndrew)
  • 作家の数:文化庁資料(2020年)/ギャラリー・画商などの数:文化庁「The Japanese Art Market 2025」(2024年時点・骨董店なども含む)
  • ギャラリーの場所(66%が関東・うち59%が東京):文化庁「The Japanese Art Market 2024/2025」
  • アートフェア東京の来場者:アートフェア東京の発表(2019年・2024年)、報道(2026年)