
こんな気持ちはありませんか
「家族に『趣味でしょ』と言われ、作品と呼びづらい」
何年も描き続け、展示にも出してきた。それでも家族からは「いい趣味だね」と言われる。
悪気がないのは分かっている。けれど、そのたびに、自分の作品を「作品」と呼ぶのをためらってしまう。
いちばん近くにいる人の一言だからこそ、何気ない言葉でも深く心に残ります。
人に紹介するときも、つい「趣味で描いている程度です」と小さく言ってしまう。そんな声を、作家の方からよく聞きます。
ここで、ひとつ考えてみてください。作品と呼ぶかどうかを、家族の一言に決めさせていませんか。
自分で「趣味」と言い続けると、作品を見せる場所が減っていきます。値段を付ける気持ちも、少しずつしぼんでいきます。
呼び方が小さいと、
作品の行き先も小さくなる。
あなたは、自分の作品を、胸を張って「作品」と呼べていますか。
呼べないままだと、どうなるか
家族の言葉が作家の制作にどう影響するかを、全国で調べた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
ただ、趣味と作品の違いは、数字から少し見えてきます。
総務省の調査で、過去1年に趣味や娯楽を楽しんだ人は86.3%でした。趣味を持つことは、ほとんどの人にとって当たり前のことです。
その中で、自分の作品をつくり、人に見せている人は、ごく一部です。
声がかかるのを待つだけでは、作品として世に出る機会はなかなか来ません。だからこそ、作家自身が作品として見せていく必要があります。
画廊に扱われていないことは、作品でない理由にはなりません。ただ、自分で「趣味です」と言い続ければ、見る人もそう受け取ります。
家族の言葉を、作品を見せない理由にしてしまうと、作品は家の中から出られなくなります。
作品として見せなければ、作品として選ばれることもありません。呼び方は、作品の入口を決めているのです。
呼び方を変えるのは、今日からでもできます。お金も時間もかからない、いちばん小さな一歩です。
作品と呼ぶことが、
届ける第一歩になる。
外から見てきた、わたしの感覚

わたしはアート業界の外の人間です。50歳を過ぎて、初めてアートを買いました。
実物の作品の前に立ったとき、原画の力に心をつかまれました。一目惚れで、その場で買うと決めていました。
外から見ていて、強く感じることがあります。売れていない作家の中にも、本当に素敵な作品を描く人はたくさんいるということです。
その作品が評価されていないのではありません。まだ、新しい市場に届いていないだけです。
一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあります。とても高い作品は無理でも、一般的な価格の作品なら、買える人はたくさんいます。
こちらの市場のほうが、圧倒的に大きいのではないか。わたしは、そう考えています。
家族に「趣味でしょ」と言われる作品の中にも、誰かを一目で惹きつける作品があるはずです。わたしが出会った作品のように、です。
作品と呼ぶかどうかは、肩書きでは決まりません。見た人の心を動かす力があるかどうかです。
作品かどうかは、
見た人の心が決める。
答え合わせ:趣味と作品を、分けるもの
この感覚を、数字で確かめようとしました。
作家の作品が、「趣味」と見られるか「作品」と見られるか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。
買う人は、作品を見て、飾りたいと思ったり、気に入ったりして選んでいます。描いた人が趣味かどうかは、上位の理由には出てきません。
「素敵な作品が、まだ市場に届いていないだけ」という感覚は、今回は確かめられませんでした。ただ、作品が人の目に触れれば、趣味かどうかではなく、作品として見てもらえる機会は増えます。
描き続けるあなたの姿勢そのものを、応援したいと思う人もいるはずです。
作品として見せ始めると、家族の見る目も少しずつ変わります。誰かが飾ってくれた、感想が届いた。その小さな事実が、何より説得力のある答えになります。
作品と呼ばれるかどうかより、作品として見てもらえる場所に出すかどうか。そこで、家族の言葉の重さも変わってきます。
家族の言葉より先に、見た人の言葉を集めてみてください。
家族への答えは、
作品を選んだ人が出してくれる。
7ARTSで、一緒にできること

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。家族との向き合い方は、家族ごとに違うからです。
そのうえで、作家が今日からできることを挙げます。
まず、自分の作品に題名を付けて、描いた日付と大きさを記録しましょう。題名のある作品は、見る人にとっても「作品」になります。
次に、家族に作品を見せるときは、描いた理由を一言添えてみてください。何を思って描いたかが伝わると、受け取り方が変わります。
家族の理解は、すぐには変わらないかもしれません。まずは、自分が作品として扱うことから始めましょう。
記録をつけ、題名を付け、理由を添える。どれも小さなことですが、作品として扱う姿勢は、家族にも少しずつ伝わります。
作品を売るようになり、収入が出てきたら、税金の扱いも変わります。確定申告などは、税理士など専門家に相談してください。
「趣味」か「作品」かを決めるのは、家族ではありません。作品にどう向き合うかを、あなた自身が決めるところから始まります。
今日から、
胸を張って作品と呼ぼう。
今日、ひとつだけやってみてください

部屋にある作品の中から、まだ題名の無い作品を1点選んで、題名を付けてみてください。
題名は、立派な言葉である必要はありません。描いたときの気持ちや、描いた場所の名前でも十分です。
次に、その作品を描いた日付と、大きさを書き留めます。作品の裏や、ノートの1ページでかまいません。
最後に、なぜその作品を描いたのかを、一言で書いてみましょう。その一言は、家族に見せるときにも、誰かに紹介するときにも使えます。
記録が3点、5点と増えていけば、それはもう立派な作品の一覧です。
題名と記録と一言がそろえば、その1点は、誰に見せても胸を張れる作品になります。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- 美術鑑賞の行動者率:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果」(2022年8月)



