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作家の悩み百選 No.077

売れた作品は、今どこにあるのか

「売れた作品が、今どこにあるのか分からず寂しい」。作品と買った人のつながりを、数字と外から見てきた感覚で考えます。

明るい部屋の白い壁に、額に入った色あざやかな作品が飾られている

こんな寂しさはありませんか

「売れた作品が、今どこにあるのか分からず寂しい」

展示で作品が売れた。うれしかったのに、買ってくれた人の顔を知らない。作品は、そのまま会場から旅立っていった。

どんな部屋に飾られているのか。今も大切にされているのか。ときどき、ふと気になる。

作家にとって作品は、時間と気持ちを注いで生み出したものです。手を離れたあとも気にかかるのは、当然のことです。

売れたことは喜ばしい。それなのに、心のどこかに穴が空いたような気持ちが残ります。

ここで、ひとつ考えてみてください。作品が売れたとき、あなたと買った人の間には、何が残りましたか。

お金のやり取りだけで終わったなら、寂しさは自然な気持ちです。作品の行き先を知りたいのは、作家として当然だからです。

売れて終わりでは、
心に穴が空く。

あなたは、作品を買ってくれた人と、今もつながっていますか。

つながりが切れたままだと、どうなるか

売れた作品がその後どこにあるかを、全国で調べた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

ただ、多くの作家が経験していることがあります。

作品が売れたあと、買った人の名前も連絡先も分からないまま、縁が切れてしまうことです。

来る人は増えないのに、売上は伸びている。作品を買う人が、限られた人たちに集まっているとも読めます。

新しいお客さんを一から探し続けるのは、簡単ではありません。一度作品を選んでくれた人との縁は、作家にとって大切な財産です。

作品がどこに飾られ、どんな人の毎日の中にあるのか。それを知らないままでは、次の作品を届けたい相手の顔も見えてきません。

買ってくれる人が限られているなら、一度買ってくれた人は何より大切な存在です。その人とのつながりが切れれば、次の出会いも生まれにくくなります。

一度作品を気に入ってくれた人は、あなたの作品の良さを、すでに知っている人です。その人と縁が切れることは、作家にとって大きな損失です。

作品の行き先が分からない寂しさ。それは、作家とお客さんの間に、まだ橋がかかっていない合図かもしれません。

寂しさは、
つながりを求める声。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい部屋の木の棚の上に、描き上げた作品が大切に飾られている
旅立った作品の、その後の居場所(イメージ)

わたしは、作品を買う側から、アートの世界に入りました。50歳を過ぎて初めて、一目惚れで作品を買ったのです。実物の作品の前に立ったとき、原画の力を思い知らされました。

買ったあと、なぜ自分はこの作品を買ったのかと、自問自答しました。それまで出会わなかったことを、もったいないとさえ感じました。

外から見ていて、気になることがあります。これまで作品は、画廊や画商を通して売られることが多くありました。

その売り方では、お客さんは画廊につき、作家にはつきにくい。作品が売れても、作家は買った人を知らないままになりがちです。

取り扱いがなくなった途端に、作品が売れなくなる作家もいます。作家が、自分のお客さんを持っていないからです。

作家が自分のお客さんを持ち、直接届けられる場所を持つこと。それが、これからは欠かせないと考えています。

画廊の売り方が悪いのではありません。作家も、画廊も、買う人も、みんなが喜べる形を一緒に探したいのです。

作家にも、
お客さんがつく形を。

答え合わせ:買った人は、つながりを望むか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、作品を買った人が、作家とのつながりを望んでいるのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

売れた作品の多くは、誰かの部屋で、毎日眺められていると考えられます。そして、作家を応援したくて買う人もいます。

買った人が作家を知っていれば、飾った様子を伝えたり、次の作品を見に来たりできます。作家の側も、作品の居場所を知ることができます。

「お客さんは作家につきにくい」という感覚は、今回は確かめられませんでした。ただ、今の売り方では、縁が切れやすいことは確かです。お店や会場が間に入るほど、作家と買った人の距離は遠くなります。

作品を通じて作家とお客さんがつながれば、寂しさは喜びに変わります。飾った写真が届いたり、次の作品を楽しみにしてくれたりするからです。

作品の行き先が分かる関係は、作家と買う人の両方にとって、うれしい形です。

飾られた作品の先に、
あなたを応援する人がいる。

7ARTSで、一緒にできること

明るいダイニングの白い壁に飾られた作品の前で、テーブルに花を置く人の手元
作品が、誰かの毎日の景色になる(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。

7ARTSは、すでに売れた作品の行き先を、さかのぼって探すことはできません。これまでに売れた作品との縁は、作家ご自身で大切にしていくところです。

そのうえで、これから売れる作品とのつながりを、一緒につくることはできます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を気に入った人は、同じ作家のほかの作品も、そのページで見られます。

気に入った人が、あなたのページをもう一度訪ねてくれる。そうした行き来が続けば、売れた作品の先にいる人との縁も深まっていきます。

作品証明書の仕組みもあります。作品と一緒に、その作品の確かな記録が残ります。

サイトは5か国語で表示できます。海外の人も、自分の言葉で作家のページを見られます(解決策2 外国語表示)。

作品とお客さんの縁を、売れた日で終わらせない。その形を、作家のみなさんと一緒につくっていきます。

売れた日を、
縁の始まりの日に。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。これまでに売れた作品を書き出す、渡すときに添える手紙の文を考える、手紙に自分のページの場所を書き添える
今日、作家がやること

まず、これまでに売れた作品を、覚えている範囲で書き出してみてください。作品名、売れた時期、売れた場所。それだけでかまいません。

書き出してみると、覚えていない作品が多いことに気づくかもしれません。それに気づくこと自体が、これからを変える一歩です。

次に、これから作品を渡すときに添える、短い手紙の文を考えます。作品に込めた思いと、お礼の一言です。

最後に、その手紙に自分のページの場所を書き添えましょう。買った人が、いつでもあなたの作品を見に来られるようにします。

作品の記録と一言の手紙が、売れた作品とあなたをつなぐ糸になります。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 日本のアート市場:文化庁「The Japanese Art Market 2024」(Arts Economics・Clare McAndrew)
  • アートフェア東京の来場者:アートフェア東京の発表(2019年・2024年)、報道(2026年)
  • 買った理由:「日本のアート産業に関する市場調査2021」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(文化庁委託事業)