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作家の悩み百選 No.068

教える収入はある、作品の収入はまだ

「教えるのが収入で、作品そのものは収入になっていない」。教室の先生の作品が届く先を、数字と外から見てきた感覚で探します。

明るい絵画教室の木の机に、描き上げた色鮮やかな作品と絵筆が並ぶ

こんな悩みはありませんか

「教えるのが収入で、作品そのものは収入になっていない」

週に何日か、教室で絵を教えている。生徒さんは熱心で、教えることにもやりがいを感じている。

けれど、収入のほとんどは月謝で、自分の作品はほとんど手元から出ていかない。気づけば、生徒さんの絵を見る時間の方が長くなっている。

教えることに力を注ぐほど、自分の作品は後回しになります。それは、先生として誠実である証でもあります。

ここで、ひとつ考えてみてください。生徒さんは、先生の作品を見たことがあるでしょうか。

いちばん近くにいる人が、先生の作品をまだよく知らない。そんな教室も、意外と多いのではないでしょうか。

いちばん近い人が、
作品を知らないかもしれない。

教える力は、作品を描く力から生まれています。その源にある作品が見えていないのは、もったいないことです。

あなたは、教える人であると同時に、作る人として見られていますか。

教える収入だけだと、どうなるか

教える仕事も、いつまでも同じだけあるとは限りません。芸団協が2025年に、2019年と比べた仕事の量を芸術家に聞いています。

教える仕事は、「減った」が「増えた」より2.3ポイント多くなっていました。大きな差ではありませんが、増えてはいないのです。

地方で教室を開いている作家にとって、作品を発表する場所は、もともと多くありません。

近くに発表の場が少なければ、教室だけが、作品を見せられる場所になっている先生もいるはずです。

発表の場が少ないまま、教える仕事が増えていくと、作品づくりは週末の残り時間に押し込まれます。作る量が減れば、発表できる作品も減っていきます。

教える準備や生徒さんへの連絡にも、時間はかかります。気づけば、自分の作品に向かう時間が、いちばん少なくなっていることもあります。

教えることは、立派な収入の柱です。ただ、柱が1本だけだと、生徒さんの数が減った月に、収入もそのまま減ってしまいます。

柱が1本なら、
揺れはそのまま届く。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい絵画教室の白い壁に飾られた、先生が描いた色鮮やかな作品と、木の机に並ぶ画材
教室の壁に、先生の作品を(イメージ)

わたしはアート業界の外から来た人間です。外から見ていて、ずっと感じていることがあります。

売れていない作家にも、本当に素敵な作品を描く人はたくさんいます。その作品が、まだ新しい市場に届いていないだけなのです。

教室の先生の作品も、その一つかもしれません。人に教えられるほどの腕を持ちながら、作品は教室の奥に眠っている。そんな話を、作家の方からよく聞きます。

生徒さんにとって、先生は描き方を教えてくれる人です。同時に、いちばん身近にいる作家でもあります。その作家の作品を見る機会は、生徒さんにとってもうれしいものです。

作家が自分のお客さんを持ち、直接届けられる環境を持つこと。これからは、それが欠かせないと考えています。

そして、本当にアートで生きていきたいなら、作家自身が本気になることも欠かせません。教える時間と同じように、作品を届ける時間を、自分で取りにいく必要があります。

教えられる腕は、
届ける力にもなる。

答え合わせ:作品は、まだ届いていないだけか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、教室の先生の作品が、どれくらい届いているのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

ただ、生徒さんやその家族は、先生の作品を見たいと思っているかもしれません。教えてくれる人の作品は、身近な憧れでもあるからです。

教室の壁に先生の作品が1点掛かっているだけで、生徒さんの見る目は変わります。教えることと作ることは、離れたものではありません。

「素敵な作品が、まだ届いていないだけ」という感覚は、今回は確かめられませんでした。届く場所が増えれば出会う人も増える、と言い切れる数字は無いからです。

生徒さんの家族、教室の発表会に来た人、作品を見て通い始めた人。教室のまわりには、先生の作品と出会える人がたくさんいます。

教える収入に、作品の収入が少しずつ加われば、柱は2本になります。教えることにも、作ることにも、もっと胸を張れるようになります。

先生の作品が教室の外で選ばれる。その話は、生徒さんにとっても、描き続ける励みになります。

教室のまわりにも、
作品と出会う人がいる。

7ARTSで、一緒にできること

明るいリビングの白い壁に飾られた色鮮やかな作品と、窓辺の観葉植物
教室の外の暮らしへ、作品を届ける(イメージ)

先に正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。教室の運営や生徒さんの集め方は、7ARTSの仕組みには含まれていません。

そのうえで、作品そのものを届ける場所は、一緒に使えます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、教室の外の人にも作品を見てもらえ、そのまま購入やオファーを申し込めます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。教室の予定に合わせて、受ける依頼を選べます。

値段に迷ったときは、値段の目安を出す道具も使えます。生徒さんに作品の値段を伝えるときの手がかりになります。

先生の作品を見た生徒さんの家族が、部屋に飾りたいと思うこともあります。ページがあれば、その気持ちをすぐに受け止められます。

作品を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

ただ、作品のページを生徒さんや家族に伝えるのは、先生自身です。教えている姿と作っている姿の両方を見せることが、作品の入口になります。

教える姿と作る姿、
両方を見せていく。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。教室の壁に自分の作品を飾る、題とひとことを添える、案内に作家ページを書き添える
今日、作家がやること

教室の壁に、あなた自身の作品を1点飾ってみてください。生徒さんの作品の横でかまいません。

次に、その作品に、題とひとことの説明を添えます。何を思って描いたのかが伝われば、生徒さんとの会話が生まれます。

最後に、作家ページの場所を、教室の案内や発表会のお知らせに書き添えてください。いちばん近くの人が、最初のお客さんになるかもしれません。

飾った作品について生徒さんに聞かれたら、描いたときの話をしてみてください。その会話が、作品を届ける最初の一歩です。

教室の収入と作品の収入の分け方や申告は、税理士など専門家に相談してください。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)