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作家の悩み百選 No.066

彫刻を、個人のお客さんに届けたい

「彫刻は値段が高くなり、個人のお客さんには届きにくい」。市場の動きと買う人の数を見て、彫刻の届け先を考えます。

明るい木の作業台の上で、色を塗り終えた小さな彫刻を両手で持つ作家の手元

こんな悩みはありませんか

「彫刻は値段が高くなり、個人のお客さんには届きにくい」

材料も重さも、絵とは比べものにならない。石や金属、木を削り出すほど、手間も費用もかさんでいく。

その分を値段に乗せると、個人のお客さんには手の届かない数字になる。かといって下げれば、作るほど苦しくなっていく。

ここで、ひとつ考えてみてください。高いから届かないのでしょうか。それとも、置いた姿が浮かばないから届かないのでしょうか。

個人のお客さんが彫刻をためらう理由は、値段だけとは限りません。重さ、置き場所、扱い方。分からないことが多いほど、人は決めるのを先に延ばします。

彫刻は、写真だけでは大きさや重さが伝わりにくい作品でもあります。見る人の頭の中で、置いた姿がぼんやりしたままになりがちです。

ためらいの理由は、
値段だけとは限らない。

あなたは、自分の彫刻をどこに置いてほしいか、言葉にできますか。

高い作品だけに頼ると、どうなるか

まず、高い作品を買ってきた人たちの年齢を見てみます。

75歳以上の人は、2025年に約2,180万人になりました。団塊の世代が、全員75歳以上になったのです。

今まで高い作品を買ってきた世代が、年を重ねています。高額の作品だけに頼る売り方は、これから難しくなっていくかもしれません。

この1年に外へ出て見たもののグラフ。映画19.0%、歴史的な建物や遺跡15.1%、美術13.9%

一方で、文化庁の調査で、この1年に外へ出て美術を見た人は13.9%でした。美術に親しむ人そのものが、もともと多くはないのです。

見に来る人は増えていないのに、売上は伸びている。高い作品を買う人は、限られた人たちに集まっているとも読めます。

高額の作品だけで勝負を続けると、その限られた人の動きに、売上が左右されます。彫刻のように値段が上がりやすい作品ほど、その影響は大きくなります。

高い作品ほど、
限られた買い手に左右される。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白い部屋の木の台に置かれた、色彩豊かな彫刻と、それを眺める人の後ろ姿
暮らしの中に置かれた彫刻(イメージ)

わたしは50歳を過ぎて、初めてアートを買いました。それまで、アートにそれほど興味はありませんでした。

外から見てきて、思うことがあります。これまでアートが買われてきたのは、百貨店や画廊、美術館のような場所です。そこに来るのは、裕福で、年齢の高い人が多いように見えます。

団塊の世代が75歳を超え、この先10年で、その世代の人数は減っていきます。今までの買い手が減れば、今までの売り方での購入も減っていくのではないか。

一方で、一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあります。とても高い作品は無理でも、一般的な価格の作品なら買える人はたくさんいる。これが、わたしの感覚です。

彫刻の作家の方からは、手のひらに乗る作品や、棚に置ける作品の話もよく聞きます。大きな作品で力を見せながら、個人が迎えやすい作品も用意する組み合わせです。

今までの売り方を壊すのではありません。大きな作品を求める人に届ける道は、これからも大切です。そのうえで、新しい売り方を一つ増やす。わたしは、そう考えています。

大作で力を見せ、
小品で暮らしに届ける。

答え合わせ:個人のお客さんは、どこにいるか

この感覚を、数字で確かめます。

けれど、個人のお客さんがいくらまでなら彫刻を買うのか。それを測った全国の調査には、たどり着けませんでした。

個人のお客さんは、暮らしの中に置ける大きさと値段の作品を探しているはずです。

玄関の棚に置ける小さな彫刻、窓辺に似合う手のひらの大きさの作品。大きな作品と並べて、そうした入口があれば、初めての人も彫刻を迎えやすくなります。

「一般的な価格なら買える人はたくさんいる」という感覚は、今回は確かめられませんでした。どの値段なら買うのかを測った全国の調査が無いからです。

玄関の棚に、小さな彫刻がひとつ置かれている。毎朝そこを通るたびに、作品が目に入る。そんな暮らしを思い浮かべられる人は、今までの買い手の外にもたくさんいます。

大きな作品はホテルのロビーやお店に、小さな作品は個人の部屋に。置き場所ごとに作品を考えれば、届く相手は広がっていきます。

ホテルやお店のように、多くの人が通る場所に置かれた彫刻は、毎日たくさんの目に触れます。そこで作品を知った人が、家に迎える小さな作品を探しに来るかもしれません。

置き場所で考えれば、
届く相手が見えてくる。

7ARTSで、一緒にできること

明るいホテルのロビーに置かれた、色鮮やかな大きな彫刻と、その横を歩く人の後ろ姿
人が集まる場所に、大きな彫刻を(イメージ)

先に正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。材料や制作の費用を下げる方法や、作品の大きさを決めることは、作家の判断だからです。

そのうえで、彫刻を個人やお店に届けるための場所は、一緒に使えます。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。彫刻の写真をいくつもの向きから載せておけば、見た人はそのまま購入やオファーを申し込めます。

玄関やロビーに置いた姿は、言葉よりも早く伝わります。

作品を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

値段に迷ったときは、値段の目安を出す道具も使えます。大作と小品で、値段の考え方を分ける手がかりになります。

サイトは5か国語で表示できます。日本で制作を続けながら、海外の人にも作品を見てもらえます(解決策2 外国語表示)。

ただ、どの大きさの作品を、どの値段で、誰に届けるのか。そこは作家自身が本気で考えるところです。その考えを形にする部分を、7ARTSが一緒に支えます。

届け先を決めるのは作家。
見せる場所は一緒に。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。置いてほしい場所で作品を分ける、部屋に置ける大きさを数える、置いた姿を見せる
今日、作家がやること

今ある彫刻を、置いてほしい場所ごとに分けてみてください。玄関の棚、リビング、お店のカウンター、ホテルのロビー。

次に、個人の部屋に置ける大きさの作品が、何点あるかを数えます。もし1点も無ければ、次に作る作品の大きさを考えるきっかけになります。

最後に、その作品を置いた姿を見せてください。置き場所が見える彫刻は、値段より先に「欲しい」を生みます。

費用や値段の具体的な計算は、税理士など専門家に相談してください。

小さな作品を作るときも、大作と同じ思いを込めてください。手のひらの1点が、あなたの彫刻を知る最初の入口になります。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 75歳以上の人数:厚生労働省の資料(2025年の推計)
  • 鑑賞の状況:文化庁「文化に関する世論調査」報告書(2024年3月・全国18歳以上24,996人)