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作家の悩み百選 No.062

直接売るとき、代金はどう受け取る

「直接売るとき、お金の受け取り方が分からない」。買いたいと言われたその時に慌てないための、受け取り方の決め方を考えます。

明るい木の机の上に、紙で包まれた作品と、色あざやかな作品が並んでいる

こんな戸惑いはありませんか

「直接売るとき、お金の受け取り方が分からない」

展示に来た人や知り合いから、「この作品を買いたい」と言われた。うれしい反面、そこで手が止まってしまう。

その場で現金をもらえばいいのか、振り込んでもらうのか。作品を先に渡していいのか、入金を待つべきか。領収書は要るのか。分からないことが次々に出てきます。

ここで、ひとつ考えてみてください。お金の受け取り方が決まっていないことで、買いたい人を待たせていないでしょうか。

「あとで連絡します」と言ったまま、話が流れてしまった。そんな経験がある方も、少なくないと思います。

作品をつくることには慣れていても、お金を受け取ることには慣れていない。作家の方からは、そんな声もよく聞きます。

受け取り方が決まらないと、
買いたい気持ちが冷めていく。

あなたは、作品が買われる日のために、受け取り方を決めていますか。

受け取り方が決まらないままだと

作品を気に入った人の気持ちは、その場がいちばん強いものです。

わたし自身、作品の前で心をつかまれ、その場で買うと決めました。

気に入ったその時の気持ちは、時間がたつほど少しずつ落ち着いていきます。受け取り方が決まっていないと、その間に話が流れてしまうこともあります。

作家が直接売るとき、どれくらいの話が支払いの段階で流れているのか。全国でまとめた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

受け取り方を決めていないと、「振込先はあとで送ります」と、やり取りが長引きます。そのあいだに、気に入った瞬間の熱は冷めてしまいます。

お金の話がうやむやなままだと、作家も買う人も不安になります。せっかくの出会いが、気まずさで終わってしまうこともあります。

作品を先に渡して、代金が届かないまま時間が過ぎてしまうこともあります。気まずくて催促できないまま、作家だけが損をしてしまうのです。

気に入った瞬間の熱は、
待つほど冷めていく。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい部屋の木の机の上で、色あざやかな作品を紙で丁寧に包む人の手元
作品を次の持ち主へ手渡す(イメージ)

わたしはアート業界の外から来た人間です。外から見ていて、思うことがあります。

これまで作品は、ギャラリーや画商が売ってきました。お客さんはギャラリーにつき、作家にはつきにくい。だから、作家が自分のお客さんを持ち、直接届けられる環境が、これからは欠かせないと考えています。

ただ、直接届けるには、作品を作る力とは別の準備が要ります。お金の受け取り方も、その1つです。新しい売り先のひらき方は、苦手な方が多いものです。お金のことも、同じかもしれません。

作家と買う人が直接会わなくても、決まった窓口があれば、作品は海を越えて届きます。窓口が決まっていることは、買う人の安心にもつながります。

初めて作品を買う人にとって、どこに、いつまでに、どうやって払えばいいかが分かること。それだけで、大きな安心になります。

直接届けることと、決まった窓口を持つこと。その両方がそろって、作家は自分のお客さんを持てるのではないでしょうか。

決まった窓口があれば、
作品は海も越えていく。

答え合わせ:支払いの形は、決め手になるか

この感覚を、数字で確かめようとしました。

けれど、支払いの方法で、作品を買うかどうかが変わるのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

作家が直接売る相手には、初めて作品を買う人も多いはずです。作品の買い方を知らない人にとって、支払いの方法が分かりやすいことは、大きな安心になります。

初めて作品を買う人は、作家に失礼がないかと、自分も緊張しているものです。受け取り方を作家から示せば、その緊張もほどけます。

「直接届けるには、決まった窓口が要る」という感覚は、今回は確かめられませんでした。それでも、受け取り方を先に決めておいて困ることは、何もありません。

受け取り方が決まっていると、声をかけられたその場で、次の一歩を案内できます。作家は慌てず、買う人は迷わずに済みます。

お金のやり取りがすっきりすれば、作品を手渡す日は、作家にも買う人にも記念日になります。

お金の流れが整えば、
出会いは気持ちよく実を結ぶ。

7ARTSで、一緒にできること

明るいギャラリーの白い壁に飾られた色あざやかな作品と、その前で作品を眺める人の後ろ姿
決まった窓口から、作品が届く(イメージ)

作家が、直接お客さんに作品を届けるための窓口。7ARTSは、それを作家のみなさんと一緒につくっています。

7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、見た人がサイトから購入やオファーを申し込めます。作品への申し込みを受ける、決まった窓口ができます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。

作品証明書で、作品の確かな記録も残ります。値段に迷うときは、値段の目安を出す道具も使えます。

サイトは5か国語で表示できます。海外の人からの申し込みも、同じ窓口で受け取れます(解決策2 外国語表示)。

サイトの窓口と、直接売るときの決まり。その2つがそろえば、どこで「買いたい」と言われても、落ち着いて応えられます。

知り合いへ直接売るときの受け取り方や、売上の帳簿、税金の扱いもあります。こうしたことは、税理士など専門家に相談してください。どの窓口でどの作品を届けるかは、作家自身が決めるところです。その仕組みづくりを、一緒に進めましょう。

お金の流れを決めるのも、
作家の仕事の1つ。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。直接売るときの受け取り方を1つ決める、渡す日と記録の残し方を書く、サイトからの申し込みの窓口も用意する
今日、作家がやること

まず、知り合いなどに直接売るときの受け取り方を、1つだけ決めてみてください。振り込みにするのか、手渡しにするのか、です。

次に、作品を渡すのは入金のあとか前か、受け取った記録をどう残すかを、紙に書いておいてください。

たとえば、振り込みを確かめてから作品を送ると決めておけば、催促の気まずさは生まれません。決めた方法は、買う人にも最初に伝えておきます。

最後に、直接会えない人のために、作家ページという申し込みの窓口も整えておいてください。受け取り方が決まっていれば、「買いたい」の声を取りこぼしません。

決めたことは、税理士など専門家にも一度見てもらうと安心です。お金の流れが整えば、作品づくりにもっと集中できます。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 買った理由:「日本のアート産業に関する市場調査2021」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(文化庁委託事業)
  • 作品を買ったことがある人の割合(約16%):「日本のアート産業に関する市場調査2018」一般社団法人アート東京・一般社団法人芸術と創造(2019年3月4日発表・約2万人を対象)