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作家の悩み百選 No.058

平日に、搬入も在廊もできない

「会社員なので、平日の搬入や在廊ができない」。作家がその場にいない日にも、作品が選ばれるための準備を考えます。

休日の朝の光が入る明るい部屋で、色あざやかな作品の仕上げをする手元

こんな悩みはありませんか

「会社員なので、平日の搬入や在廊ができない」

平日は会社で働き、夜と週末に描く。展示に誘われても、搬入は平日の昼、会期中はできるだけ在廊を、と言われると返事に困ります。

有給休暇を使えるのは、年に何日かだけ。展示のたびに休みを取るのは難しく、せっかくの誘いを断ることもあります。

週末の展示だけを選べば、出せる場所はさらに限られます。作品はあるのに、見せる日が合わない。そのもどかしさが続きます。

ここで、ひとつ考えてみてください。作家がその場にいないと、作品は本当に選ばれないのでしょうか。

会場で作家と話せることは、買う人にとって大きな魅力です。けれど、作品そのものを見て決める人も、きっといるはずです。

会社の仕事も、描くことも、どちらも大切にしたい。その両立のむずかしさが、作品を見てもらう機会を少しずつ遠ざけているのかもしれません。

作家がいない日にも、
作品は語れる。

あなたは、在廊できないことを理由に、展示の誘いを断っていませんか。

在廊できる日だけに頼ると、どうなるか

会社員と作家を両立している人の数を、全国でまとめた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

そこで、芸術家の働き方の変化を見てみます。芸団協が2025年に、2019年と比べた仕事の量を芸術家に聞いています。

芸術以外の仕事は、「増えた」が「減った」より6.2ポイント多くなっていました。自分から進んで行う芸術の仕事は、「減った」が10.7ポイント多くなっています。

ほかの仕事を持ちながら制作する作家は、むしろ増えているのかもしれません。平日に会場へ行けないのは、あなただけではないのです。

会場で作品と出会える人の数には、限りがあります。そこに、作家が在廊できる日も限られるという条件が重なると、作家と会える人はさらに少なくなります。

平日に動けない作家ほど、展示の機会を逃しやすい。作品の力とは関係のないところで、見てもらえる回数が減ってしまうのです。

誘いを断るたびに、次に声がかかる回数も減っていきます。動けない日が多いことが、作家としての縁まで細くしてしまうのです。

動ける日が限られると、
見てもらえる回数も減る。

作家の方からよく聞く場面

休日の朝の光が入る明るい部屋で、色あざやかな作品を描く人の後ろ姿
週末に描き続ける作家(イメージ)

会社に勤めながら描いている作家の方から、こんな話をよく聞きます。

展示の初日だけは休みを取って在廊した。けれど、作品を気に入ってくれたお客さんが来たのは、作家のいない平日の夕方だった。

ギャラリーの方が、作品の説明をしてくれた。けれど「作家さんと話してから決めたい」と言われ、その話は終わってしまった。

この話には、2つの大事なことが含まれています。1つは、作家がいない日にも、作品に心を動かす人は来るということです。

週末しか描けない作家の作品には、限られた時間に込めた集中があります。その背景も、見る人にとっては作品の魅力の1つです。

もう1つは、作家の言葉が、買う人の背中を押すということです。作家の言葉に代わるものが会場になければ、迷っている人は決めきれません。

作家がその場にいられないなら、作家の言葉だけでも作品のそばに置いておく。それができれば、在廊できない日の出会いも、取りこぼさずに済むのかもしれません。

あなたがいない日も、
あなたの言葉は置いておける。

答え合わせ:作家がいない日にも、作品は選ばれるか

この見方を、数字で確かめようとしました。

けれど、作家が会場にいるかどうかで、作品の売れ方がどう変わるのか。それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。

わたし自身は、作家と話す前に、作品の前で心が決まっていました。作家と話すことは、決め手の1つにすぎないこともあるのです。

「作家がいなくても作品は選ばれる」という見方は、今回は確かめられませんでした。作家との会話が決め手になる人も、きっといます。

作品のそばに作家の言葉があり、飾った姿が伝われば、在廊できない日にも作品は選ばれます。平日に会社にいる時間も、作品は誰かに見てもらえます。

作家の言葉は、会場で話す一度きりのものではなくなります。書いておけば、何度でも、何人にでも同じように届きます。

週末に描いた作品が、月曜の朝には遠くの誰かの目に留まっている。会社員であることが、作家であることを妨げない毎日が近づいてきます。

会社にいる時間も、
作品は誰かに見られている。

7ARTSで、一緒にできること

明るいオフィスの受付の白い壁に飾られた色あざやかな作品と、その前を通る人の後ろ姿
作家がいない時間も、作品は見られている(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。展示会場への搬入や在廊を、7ARTSが代わることはできません。

7ARTSが一緒にできるのは、在廊できない時間にも、作品と言葉を見てもらえる場所を持つことです。7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、サイトから購入やオファーが届きます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。平日に動けない事情に合わせて、受けるものを選べます。

届いた声は、平日の夜や週末に、落ち着いて読んで考えられます。

作品を部屋やお店に飾った姿を見せる仕組みもあります(解決策1 飾ってみて)。

搬入の日時や在廊の決まりは、展示の会場によって違います。平日に動けないことは、誘われた最初の段階で会場に伝え、相談してみてください。ほかの作家と搬入を手伝い合う方法もあります。

そのうえで、作家のいない日に作品を語る言葉は、作家自身にしか書けません。その言葉を、一緒に作品のそばに置いていきましょう。

在廊はできなくても、
作品の声は届けられる。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。会場で聞かれそうなことを3つ書く、その答えを作品ごとに短く書く、作家ページに作品と一緒に載せる
今日、作家がやること

まず、展示の会場でお客さんに聞かれそうなことを、3つ書き出してみてください。描いたきっかけ、使った画材、どんな場所に飾ってほしいか、などです。

次に、その答えを、作品ごとに短く書いてみてください。在廊したときに話す言葉を、そのまま文にするつもりで大丈夫です。

最後に、その言葉を作品と一緒に、作家ページに載せてみてください。言葉が作品のそばにあれば、あなたは毎日在廊できます。

書いた言葉は、展示のたびに少しずつ直していけば大丈夫です。お客さんの反応を聞くうちに、伝わる言葉に育っていきます。

会場で配る作品の説明にも、同じ言葉が使えます。会社員として働く時間を守りながら、作家としての声を届け続けてください。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)