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作家の悩み百選 No.057

つながりが無いと、展示できない?

「団体や先生のつながりがないと、展示できない」。つながりの外にいる作家が、作品そのもので見てもらうための道を考えます。

明るい木の机の上で、描き上げた色あざやかな作品に手を添える作家の手元

こんな壁を感じていませんか

「団体や先生のつながりがないと、展示できない」

展示に出したいと相談すると、「どこの会に入っているの」「先生はどなた」と聞かれる。答えられずに、話がそこで止まってしまう。

独学で描いてきた方や、美術の学校を出ていない方ほど、この壁にぶつかりやすいようです。作品を見てもらう前に、入口で立ち止まってしまうのです。

ここで、ひとつ考えてみてください。作品を買う人は、あなたの所属や先生の名前で選ぶでしょうか。

所属や推薦は、展示の世界では大切な信頼の印です。ただ、作品を見て心が動く瞬間に、その印はあまり関係ないのかもしれません。

つながりの中で展示が決まる世界もあります。そこでは、見てもらう順番が、作品の力とは別のところで決まってしまいます。

心が動く瞬間に、
所属の名前は要らない。

あなたは、つながりが無いことを理由に、見てもらうこと自体をあきらめていませんか。

つながりを待ち続けると、どうなるか

展示の入口となるギャラリーや団体の展覧会は、どこも並ぶ作家でいっぱいです。

入口が限られていれば、紹介や推薦のある作家が先に通るのは、ある意味で自然なことです。ギャラリーにとっても、信頼できる作家を選びたいからです。

団体や先生のつながりで展示が決まる割合を、全国でまとめた調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

ただ、限られた入口のつながりを待ち続けると、展示の機会はなかなか巡ってきません。そのあいだも、作品は誰にも見られずに増えていきます。

つながりは、急いで作れるものではありません。待つだけの時間が長くなるほど、描く気持ちまでしぼんでしまう方もいます。

団体に入るにも、教室に通うにも、時間とお金がかかります。誰もが同じように、その道を選べるわけではありません。

つながりを待つ間にも、
作品は増えていく。

外から見て、気づいたこと

明るい白い壁のアトリエで、描き上げた色あざやかな作品の前に立つ人の後ろ姿
自分で立ち上がる作家(イメージ)

わたしは、アート業界の外から来た人間です。外から見ていて、気づいたことがあります。

画商やギャラリーは数が限られていて、見られる作家の数も限られています。だから、全員は頼れません。

では、どうするのか。わたしの答えは、作家が自分で立ち上がり、自分で売れる場所をつくることです。

本当にアートで生きていきたい。作品をいろんな人に届けたい。そう思うなら、作家自身が本気になることが欠かせません。つながりができるのを待つだけでは、道はひらけないからです。

同時に、わたしはギャラリーや画商の方々を敵だとは思っていません。新しい作家を見つけて紹介するなど、業界の役に立てることがあると考えています。

ギャラリーの方々にとっても、まだ知られていない良い作家と出会えることは、うれしいことのはずです。

つながりの外にいる作家が、自分の場所で力をためる。その作家が見つかり、ギャラリーとも出会う。みんなが喜べる形は、そこから生まれると考えています。

待つのではなく、
自分の場所から立ち上がる。

数字で答え合わせ:楽しみを持つ人は、9割近く

この感覚を、数字で確かめます。総務省の調査で、10歳以上の人が過去1年に何をしたかを聞いています。

趣味や娯楽を楽しんだ人は86.3%でした。学習や自己啓発に取り組んだ人も、39.6%います。

ほとんどの人が、何かしらの楽しみを持っています。その多くは、団体の展覧会にも、先生の教室にも縁のない人たちです。つながりの中で展示をしても、届きにくい人たちです。

「つながりの外にも、作品を楽しむ人は大勢いる」という感覚は、一部当たりです。楽しみを持つ人が大勢いることは確かめられました。ただ、その中で美術を楽しむ人がどれくらいかまでは、この数字では分かりません。

自分の場所で作品を見せていれば、所属を聞かれる前に、作品そのものを見てもらえます。気に入った人は、作品で選んでくれます。

作品を見て選んだ人は、作家の肩書きではなく、作品そのものを好きになってくれた人です。その人たちの声は、何よりの励みになります。

その積み重ねが、いつかあなたの実績になります。実績ができれば、団体や先生とのつながりも、あとから自然に生まれてくるかもしれません。

作品で選ばれた数が、
あなたの紹介状になる。

7ARTSで、一緒にできること

明るいギャラリーの店先のガラス越しに見える色あざやかな作品と、立ち止まる人の後ろ姿
通りから作品を見てもらう(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。団体に入ることや、先生の推薦の代わりになるものを、7ARTSは持っていません。

7ARTSが一緒にできるのは、所属を問われる前に、作品を見てもらえる場所を持つことです。7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、サイトから購入やオファーが届きます。

オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。

作品を見た人からの声は、サイトを通して作家に届きます。紹介してくれる人がいなくても、作品が自分で出会いを運んできます。

サイトは5か国語で表示できます。日本で制作を続けながら、海外の人にも作品を見てもらえます(解決策2 外国語表示)。

福岡のギャラリーでは、通りから作品が見える店先で、作家の作品を紹介しています。モン・サン=ミッシェルでは展覧会を開き、訪れた人に作品を見てもらいました。

団体や公募の情報は、地域の文化施設の窓口でも集められます。つながりを作ることと、自分の場所で見せること。その両方を、一緒に進めていきましょう。

つながりは、あとからでいい。
まず作品を見てもらう。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。いちばん自信のある作品を1点選ぶ、所属の代わりに作品への思いを書く、作家ページに載せて作品で見てもらう
今日、作家がやること

まず、いちばん自信のある作品を1点だけ選んでみてください。

次に、その作品のそばに書く言葉を考えてみてください。所属や先生の名前の代わりに、なぜ描いたのか、何を見てほしいのかを書きます。

最後に、その言葉と作品を、作家ページに載せてみてください。作品が自分の言葉で語られたとき、所属の名前は要らなくなります。

書く言葉は、上手でなくてかまいません。あなた自身の言葉であることが、所属の名前よりも、見る人の心に残ります。

独学で歩いてきた道のりも、あなただけの経歴です。隠さずに、作品の言葉として添えてみてください。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 美術鑑賞の行動者率:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果」(2022年8月)