
こんなことはありませんか
「支払いが遅れる・払ってもらえないことがある」
作品を渡したのに、約束の日を過ぎても代金が届かない。催促の連絡をするのは、気が重い。
「相手も忙しいのだろう」と待っているうちに、1か月、2か月と過ぎていく。言い出せないまま、関係がぎくしゃくしてしまう。
作品を作ったのは、あなたです。代金を受け取るのは、当然のことです。
それでも、お金の話を切り出すのは、作品の話よりずっと勇気が要ります。だから、つい黙ってしまうのです。
待っている間、次の作品に向かう気持ちも、どこか落ち着きません。
ここで、ひとつ考えてみてください。支払いの日を、作品を渡す前に決めていましたか。
日にちが決まっていなければ、遅れているのかどうかさえ、はっきり言えません。
決めていない約束は、
遅れたとも言えない。
あなたは、言い出しにくくて、待ち続けていませんか。
待ち続けると、どうなるか
作家の代金がどれくらい遅れているか。全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
ただ、待つことの重さは、作家を取りまく数字からも想像できます。
そのかわり、芸術家の働き方を調べた報告書があります。
仕事や収入の変動が大きく、補償のない不安定な立場だと痛感している。そう答えた芸術家は、おおよそ3人に1人でした。
収入が不安定な作家にとって、1件の代金は大きな意味を持ちます。それが入らないと、画材も、次の作品の計画も止まってしまいます。
代金が届かない状態が続くと、相手への気持ちも曇ります。せっかくの縁がお金のことで途切れるのは、どちらにとっても残念なことです。
入るはずのお金が遅れると、もともと揺れやすい暮らしに、さらに大きく響きます。
催促に気持ちを取られると、作ることにも集中できません。待つ時間は、お金だけでなく、制作の時間まで削っていきます。
そして、一度遅れても何も言わずにいると、次も同じことが起きやすくなります。
待つ時間が、
次の作品を遠ざける。
作家の方から、よく聞く場面

作家の方から、こんな話を聞くことがあります。
知り合いの紹介で、作品を買いたいという人が現れた。うれしくて、その場で作品を渡した。代金は「来月払うね」と言われた。
ところが、翌月になっても連絡がない。紹介してくれた人の顔も浮かび、催促できないまま時間が過ぎた、という話です。
相手を責めたいわけではありません。口約束のまま作品を渡したことで、お互いの記憶がずれてしまったのです。
わたしは、関わる全員がうれしい形にすることを、商売の基本にしています。作家も、買う人も、紹介した人も、誰も嫌な思いをしない形です。
紹介した人にとっても、今の状態は気まずいはずです。最初に約束を文字にしていれば、3人とも気持ちよく取引を終えられました。
そのためにも、代金の約束は先に文字で残しておく。それが、相手との関係を守ることにもつながると考えています。
約束を先に決めることは、相手を疑うことではありません。お互いが安心して、作品のやり取りを楽しむための準備です。
約束を文字にすることは、
関係を守ること。
答え合わせ:約束を先に決めると、離れていくか
代金を「言い出しにくい」と感じる背景には、作品を売ることへの遠慮があるのかもしれません。支払いの約束と買う人の気持ちの関係を、確かめようとしました。
けれど、それを調べた全国の調査には、たどり着けませんでした。
ただ、作品を買う人は、作品を気に入って自分のために買っています。作家への遠慮で払っているのではありません。
「代金の約束を先に決めても、買う人は離れない」という見方は、今回は確かめられませんでした。支払いについての調査は無いので、言い切れません。ただ、約束がはっきりしていることは、買う人の安心にもつながるはずです。
支払いの日が決まっていれば、遅れたときも「約束の確認」として連絡できます。気まずさではなく、事務の連絡になります。
買う人にとっても、いつまでに、どうやって払えばいいかが分かれば、迷わずに済みます。
約束がはっきりしていれば、作家も、買う人も、気持ちよく次の取引に進めます。
お金の心配が減れば、次の作品に気持ちを向けられます。作品を渡す日が、不安な日ではなく、うれしい日に変わっていきます。
お金の約束が整うと、
心は作品に戻ってくる。
7ARTSで、一緒にできること

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。
7arts.jpには、作家ごとのページがあります。作品を載せておけば、見た人からサイトを通して購入やオファーが届きます。
サイトを通した申し込みなので、口約束だけでやり取りが始まるのとは違います。誰から、どの作品に申し込みがあったのかが、形として残ります。
オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。望まない依頼から話が始まることを、減らせます。
作品の申し込みを、サイトという決まった入口から受けておく。それだけでも、やり取りの始まりがはっきりします。
ただ、届いた申し込みにどう答え、どんな約束を交わすかは、作家自身が決めることです。
一方で、7ARTSのサイトの外で受けた依頼や、直接の取引の代金には、7ARTSは答えられません。
そうした支払いで困ったときは、弁護士などの専門家に相談してください。国が用意した無料の相談窓口「フリーランス・トラブル110番」もあります。
入口は一緒に整える。
約束を決めるのは、あなた。
今日、ひとつだけやってみてください

いま、支払いを待っている作品や仕事があれば、紙に書き出してみてください。相手、作品、金額、約束の日の4つです。
4つを書き出すだけで、今どれだけ待っているのかがはっきりします。
約束の日が決まっていなかったものは、次の連絡で日にちを決めましょう。「確認のためにご連絡しました」と始めれば、言い出しやすくなります。
そして次の取引からは、作品を渡す前に、支払いの日と方法をメールなどの文字で残してください。
最初の1回は勇気が要ります。けれど、決めておくほど、次からは楽になります。
日にちを決めてから渡す。それだけで、待ち続ける時間は減っていきます。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)



