
こんな悩みはありませんか
「確定申告や税金の手続きがよく分からない」
毎年、申告の時期が近づくと気が重くなる。レシートは箱に入れたまま、どれが仕事の費用になるのかも分からない。
作品が売れたのはうれしい。けれど、そのお金を申告するべきなのか、どう書けばいいのか、誰にも聞けずにいる。
周りの作家に聞くのも、なんとなく気が引ける。お金の話は、仲間内でもしにくいものです。
作家の方からも、この悩みはとてもよく聞きます。描くことに集中してきた人ほど、数字や書類の手続きは後回しになりやすいのです。
ただ、分からないまま放っておくと、あとで困るのは作家自身です。慌てて書類をそろえる時間は、制作の時間を削っていきます。
ここで、ひとつ考えてみてください。手続きが苦手なのは、仕組みが難しいからでしょうか。それとも、日々の記録がないからでしょうか。
書類が重いのは、
記録がないからかもしれない。
あなたは、作品のお金の流れを、どこかに書き残していますか。
分からないままだと、どうなるか
まず、この悩みに関わる数字を探しました。作家のうち、確定申告をしている人はどれくらいか。手続きに困っている人はどれくらいか。
調べましたが、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
数字はなくても、放っておいたときに起きることはあります。1年分のレシートや売上の記録を、申告の直前に探し回ることになります。
記録がなければ、何にお金を使ったのかを思い出せません。本来は認められるかもしれない費用も、確かめないまま見落としてしまうことがあります。
さらに、作品の売り先が増えるほど、お金の出入りは複雑になります。ギャラリー、展示、自分のページ、知り合い。売り先ごとに記録が散らばると、整理はますます大変です。
申告の時期は、展示の準備と重なることもあります。制作と手続きの両方に追われて、どちらも中途半端になってしまうこともあります。
税金の決まりは、人によって、また年によって変わることがあります。分からないまま自己流で進めることが、いちばんの不安のもとです。
記録のない1年は、
申告の前に重くのしかかる。
外から見てきた、わたしの感覚

わたしは税金の専門家ではありません。ここでは、外から作家の方を見てきた一人として、感じていることを書きます。
これまで作品は、ギャラリーや画商に売ってもらうことが多かったように、外からは見えます。その場合、お金のやり取りの多くは、売る側との間で完結していました。
けれど、これからは、作家が自分でお客さんを持ち、直接届けることが欠かせないと考えています。取り扱いが終わった途端に売れなくなる、という不安を減らすためです。
直接届けるということは、お金の受け取りや記録にも、作家自身が向き合うということです。小さなお店を一つ持つのと、似ているのかもしれません。
お店の人が毎日の売上を帳面につけるように、作家も作品のお金の流れを書き残す。それは、作家として自立するための大切な一歩だと思います。
作家の方からよく聞く場面があります。作品が売れた喜びのあとで、申告の時期に頭を抱える。せっかくの喜びが、手続きの不安で曇ってしまうのです。
届ける力と、記録する習慣。その両方がそろってこそ、作家は安心して直接届けられるのかもしれません。
直接届けるなら、
記録も自分の仕事になる。
数字で答え合わせ:作家の多くは、自分で手続きをする
作家は、どんな立場で仕事をしているのでしょうか。芸団協が2025年に、芸術家の社会保険の入り方を調べています。
芸術家の医療保険は「国民健康保険」が55.3%、年金は「国民年金」が64.1%でした。会社に勤める人の健康保険や厚生年金より、ずっと多くなっています。
今の買い手の外に、まだ作品と出会っていない人が大勢います。直接届ける道がひらけば、作家のお金の出入りは、これから増えていく可能性があります。
多くの芸術家は、会社に守られた立場ではなく、自分で手続きをする個人事業者として働いているのです。「直接届けるなら、記録も作家の仕事になる」という感覚は、一部当たりです。自分で手続きをする立場の作家が多いことは、数字から読み取れます。手続きの大変さまでは、数字で測れません。
だからこそ、売上がまだ少ない今のうちに、記録の習慣をつくっておく価値があります。売れるたびに1行書く。材料を買うたびにレシートを残す。
記録が整っていれば、申告の時期も慌てずに済みます。手続きにかけていた時間と心の重さを、制作に戻せるようになります。
売れる前に整えた記録が、
売れたあとの自分を助ける。
7ARTSで、一緒にできること

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。税金の計算や確定申告の手続きを、7ARTSが代わりに進めることはできないからです。
税金の扱いは、作家一人ひとりの働き方や収入によって変わります。ここでは一般的な話にとどめます。具体的なことは、必ず税理士や、税務署の相談窓口に確かめてください。
そのうえで、作家が今日からできることがあります。売上と費用を、1冊のノートか1つの表にまとめることです。日付、何の作品か、いくらか、どこで売れたか。
材料や額、展示にかかった費用のレシートは、月ごとに封筒に分けて残しておきましょう。何が仕事の費用として認められるかは、税理士に確かめてください。
国税庁のサイトには、確定申告の一般的な案内があります。地域の税理士会などが、無料の相談会を開いていることもあります。
作品ごとに、題、大きさ、仕上げた日、届けた先を書き留めておきましょう。売上の記録と合わせると、1年を振り返りやすくなります。
手続きは専門家と。
記録はあなたの手で。
今日、ひとつだけやってみてください

売上と費用をまとめるノートか表を、1つだけ用意してください。紙でも、パソコンでもかまいません。
次に、この1か月の分を書き入れてみてください。作品が売れた日といくらだったか、材料を買った日といくらだったか。
最後に、困ったときに相談する先を1つ調べて、メモしておいてください。近くの税務署の相談窓口でも、知り合いに紹介された税理士でもかまいません。
相談先が決まっていれば、分からないことが出てきたときに、一人で悩む時間が短くなります。
記録は、毎日少しずつなら負担になりません。1か月分がそろった日から、申告の時期は怖いものではなくなっていきます。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- 芸術家の働き方:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)「芸術家のセーフティネットの構築に関する調査研究報告書」(2026年3月)



