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作家の悩み百選 No.037

画材費とアトリエ代が重い

「画材費やアトリエ代が高い」。費用が重くなる理由と、手元に残すための考え方を、数字と外から見てきた感覚で確かめます。

明るいアトリエの木の棚に絵の具と筆とキャンバスが並び、白い壁に描き上げた作品が飾られている

こんな悩みはありませんか

「画材費やアトリエ代が高い」

絵の具を1本買い足すたびに、値札を見てためらう。キャンバスも額も、気がつけば前より高くなっている。

アトリエの家賃は、作品が売れても売れなくても、毎月かかる。描くための場所を守るために、別の仕事を増やしている。

作家の方から聞くこの悩みは、とても切実です。良い作品を作りたいほど、良い材料と広い場所がほしくなるからです。

節約のために、画材の質を落とす。大きな作品をあきらめる。そうしているうちに、描きたいものが描けなくなっていく。

費用のことを考えるたびに、筆が止まる。お金の心配が、制作の時間にまで入りこんでくるのです。

ここで、ひとつ考えてみてください。費用の悩みは、出ていくお金だけの問題でしょうか。それとも、入ってくる道の問題でしょうか。

費用を削るほど、
描きたいものも削れていく。

あなたは、出ていくお金ばかりを見ていませんか。

削るだけだと、どうなるか

費用が重くなっている背景を、数字で見てみます。

2026年3月末には、1ドル160円台になったと報じられました。円安が続くと、輸入される絵の具やキャンバスなどの材料は、高くなりがちです。

一方で、作品の売り先は国内だけで考えられがちです。その国内の、高額の作品の売れ行きは、ここ数年で落ち込んでいます。

材料は高くなりやすいのに、売り先が広がっていない。この2つが重なると、作品が売れても、手元に残るお金は増えにくくなります。

アトリエ代のように毎月決まって出ていく費用は、とくに重く感じられます。売上が月によって違う作家ほど、その重さは増していきます。

作家1人あたりの画材費やアトリエ代が、いくらなのか。調べましたが、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。

それでも、費用を削るだけの道には限りがあります。削った分、作品の質や大きさを手放すことになれば、選ばれる理由まで細っていきます。

削る道には、
いつか行き止まりが来る。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい石造りの展示室で、白い壁に掛けられた色あざやかな作品を眺める人の後ろ姿
海の向こうで、作品が選ばれる(イメージ)

わたしはアート業界の人間ではありません。外から見ていて、作家の費用の悩みと、円安のことが気になっています。

円安になれば、物が売れても、利益は上がっていきにくい。外から見て、わたしはそう感じています。

だからこそ、外に目を向けるべきだと考えています。日本の中だけでなく、世界を見据えることが、これからは欠かせません。

ただ、作家が海外へ出ていくのは、とても大変です。費用もかかり、危険もあります。そこで、日本にいながら、海外の人に作品を届けることを考えてきました。

日本で描かれた作品を、日本にいながら海の向こうへ届ける。それが、7ARTSのサイトに込めた考えです。

作家が海外へ出ていくのではなく、作品のほうに旅をしてもらう。そう考えると、日本のアトリエで描く1点1点が、世界の誰かに向けた1点になります。

費用を削るだけでなく、届く先を広げる。そのほうが、作家が描き続ける力になると感じています。

削るより、
届く先を広げる。

数字で答え合わせ:海の向こうから、人が来ている

届く先を広げる余地は、本当にあるのでしょうか。数字で確かめます。

日本を訪れた外国人の人数のグラフ。2019年3,188万人、2023年2,507万人、2024年3,687万人

2024年に日本を訪れた外国人は3,687万人でした。2019年の3,188万人を超え、過去にない多さです。

円安は、材料を高くする一方で、海外の人には日本の物を手に取りやすくします。日本に来る人の多さは、売り先を外へ広げる余地があることを示しています。

「費用を削るより、届く先を広げるべき」という感覚は、一部当たりです。海外から日本に来る人が増えていることは、数字で確かめられました。ただ、その人たちに届けば費用の悩みが消えるとまでは、言い切れません。

それでも、売り先が国内の一部から広い層へ、そして海外へと広がったらどうでしょう。1点の作品にかけられる費用の考え方も、変わってくるはずです。

良い画材を使い、思いきった大きさで描く。その作品を、まだ出会っていない人へ届ける。そうした循環を目指すことが、費用の悩みと向き合う一つの道です。

良い画材で描いた作品を、
まだ見ぬ人のもとへ。

7ARTSで、一緒にできること

明るい木の机で、絵の具のチューブと描き上げた色あざやかな作品の横に、ノートへ書き込む手元
かかった費用を、作品ごとに書き出す(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSはまだ答えを持っていません。画材やアトリエの費用そのものを下げる仕組みを、7ARTSは持っていないからです。

そのうえで、作家が今日からできることがあります。まず、1年間の画材費とアトリエ代を、種類ごとに分けて並べてみることです。何にいくらかかっているかが見えると、手の打ち方が変わります。

次に、作品1点ごとに、材料と時間がどれだけかかったかを記録してください。値段を考えるときの土台になり、手元に残るお金も見えてきます。

画材費やアトリエ代が、仕事の費用としてどう扱えるかは、人によって違います。確定申告での扱いは、税理士や税務署の相談窓口に確かめてください。

アトリエを借りるかどうかで、迷うこともあるでしょう。契約の中身は、弁護士など専門家と一緒に確かめるのが安全です。

届く先を広げる道として、サイトは5か国語で表示できます。日本にいながら、海外の人にも作品を見てもらえます(解決策2 外国語表示)。

費用は記録で見える。
届く先は一緒に広げる。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。この1年の画材費とアトリエ代を書き出す、作品1点ごとの費用を記録する、届く先を1つ増やす
今日、作家がやること

この1年の画材費とアトリエ代を、項目ごとに書き出してみてください。レシートや通帳を見ながら、ざっくりでかまいません。

次に、最近仕上げた作品1点について、材料にかかったお金と、かけた時間を書いてください。1点にどれだけの費用がかかっているかが分かります。

最後に、その作品を届ける先を、今より1つ増やすならどこかを決めてください。自分のページ、近くのお店、海外の人。

届く先を決めたら、その場所に合う作品を1点選んでおきましょう。費用をかけて描いた作品ほど、届ける先を丁寧に考える価値があります。

出ていくお金は、記録すれば見えてきます。届く先が1つ増えた日から、費用の重さの感じ方は変わり始めます。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 為替:2026年3月末の報道
  • 訪日外国人:日本政府観光局・観光庁「観光庁長官定例会見配付資料」(2025年1月15日)