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作家の悩み百選 No.009

作品を、誰に届けるか

「自分の作品を誰に届ければいいのか分からない」。買った人の理由を数字で見て、届け先の見つけ方を考えます。

明るいリビングのソファの上の白い壁に、描き上げた作品が飾られている

こんな迷いはありませんか

「自分の作品を誰に届ければいいのか分からない」

作品はある。でも、どんな人が欲しがってくれるのか、顔が思い浮かばない。

「アートが好きな人」に向けて展示をしてみる。けれど、来てくれるのはいつも同じ顔ぶれで、その先に広がっていかない。

SNSの投稿も、誰に向けているのか分からないまま書いている。だから、言葉がいつもぼんやりしてしまう。

届けたい気持ちは強いのに、届け先の地図だけが白紙のまま。そんな状態の作家は、少なくありません。

ここで、ひとつ考えてみてください。あなたの作品が飾られている部屋を、具体的に思い描けますか。

届け先が決まらないと、展示の場所も、作品に添える言葉も決まりません。決まらないまま、作品だけが少しずつ増えていきます。

誰にでも向けると、
誰にも届かない。

あなたは、作品を届けたい人の暮らしを、思い浮かべたことがありますか。

届け先が決まらないと、どうなるか

届け先を決めないまま展示を続けると、見てくれる人は限られていきます。もともとアートが好きな人たちです。

その人数を、文化庁の調査で見てみます。この1年に、外へ出て見たものを聞いた結果です。

この1年に外へ出て見たもののグラフ。映画19.0%、歴史的な建物や遺跡15.1%、美術13.9%

美術を見に出かけた人は、全国の18歳以上で13.9%でした。映画の19.0%や、歴史的な建物の15.1%より少なくなっています。

美術を見に出かける人は、10人に1人ほど。その限られた人たちに向けて、多くの作家が作品を並べています。

美術館や展覧会に通う人は、作家にとってかけがえのない存在です。

アートが好きな人は、大切なお客さんです。ただ、その輪の中だけを届け先にすると、多くの作家が同じ人たちに向けて作品を並べることになります。

同じ人たちに向けて並べるほど、作品は比べられる中の1点になります。あなたの作品だからこそ響く人に出会う前に、埋もれてしまうのです。

届け先を決めないままでは、自然と、その混み合う輪の中に並ぶことになります。決めることは、ほかの人を切り捨てることではありません。最初に話しかける1人を決めるだけです。

決めないことは、
いちばん混む場所を選ぶこと。

外から見てきた、わたしの感覚

明るい白い展示室で、初めて作品の前に立ち、じっと見つめる人の後ろ姿
届け先の外にいた人が、作品と出会う(イメージ)

わたしは、50歳を過ぎて初めてアートを買いました。それまで、アートにそれほど興味はありませんでした。

一般の人は、作家の友達がいたり、アートの世界にいたりしなければ、作品に触れる機会がありません。わたしも、どの作家の届け先にも入っていない人間でした。

それでも、実物の作品に出会ったとき、一目惚れして買いました。届け先の外にいた人が、いちばん心を動かされたわけです。

50歳を過ぎるまでアートに出会わなかったのは、もったいない人生だったと、今は思います。同じように出会いを待っている人は、きっとたくさんいます。

だから、わたしはこう感じています。届け先は、アートが好きな人の中だけにいるのではない。まだアートに出会っていない、一般の人の中にもいる。

一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあります。足りないのは、作品を見てもらえる環境です。届け先を探すとは、その人たちの暮らしの中に、作品との出会いを置くことではないでしょうか。

届け先は、
アート好きの輪の外にもいる。

数字で答え合わせ:部屋を整える人は、大勢いる

この感覚を、数字で確かめます。暮らしの中で物を選ぶ人たちが、どこで買っているかを見てみます。

経済産業省の調査で、分野ごとにネットで買われている割合が出ています。

分野ごとのネット販売の割合のグラフ。生活雑貨・家具・インテリア32.58%など

「生活雑貨・家具・インテリア」は32.58%でした。部屋を整える物の3つに1つが、ネットで選ばれています。

「届け先は、アートが好きな人の輪の外にもいる」という感覚は、一部当たりです。部屋を整える物を探す人が大勢いることは、数字で確かめられました。ただ、その人たちが作品まで買うかどうかは、この数字では分かりません。

届け先は、どんな人かを考えるより、作品が置かれる場面から考えると見つけやすくなります。玄関を明るくしたい人、寝室で落ち着きたい人、お店の壁を変えたい人。

場面で考えると、作品に添える一言も変わります。「玄関を明るくする1枚」と書かれていれば、見る人は自分の家の玄関を思い浮かべます。

場面が決まれば、その場面で暮らす人の顔が見えてきます。顔が見えれば、作品に添える言葉も、見せる場所も決まります。

まず、飾られる
部屋を思い描く。

7ARTSで、一緒にできること

明るい玄関の白い壁に飾られた作品と、明るい木の靴箱の上の花
届けたい場面を、先に見せる(イメージ)

先に、正直にお伝えします。この悩みに、7ARTSが答えられるのは一部です。あなたの作品の届け先を、7ARTSが代わりに決めることはできません。

答えられるのは、決めた届け先に向けて、作品を見せる部分です。

作品を玄関やカフェ、ホテルのロビーに飾った姿を見せる仕組みがあります。届けたい場面を、見る人に想像してもらえます(解決策1 飾ってみて)。

7arts.jpの作家ページに作品を載せておけば、サイトから購入やオファーが届きます。オファーは9種類あり、作家が「受けられる」と選んだものだけが届きます。

どんな人から声がかかったかは、届け先を知る手がかりにもなります。飾った姿を見た人が「わたしの部屋にも合いそう」と感じれば、その人が次の届け先です。

サイトは5か国語で表示できます。届け先は、日本の中だけとは限りません(解決策2 外国語表示)。

届け先を決めるのは、作家自身です。どの作品を、どの場面の、どんな人に見てほしいのか。それが決まれば、7ARTSの仕組みを使った見せ方が選べるようになります。

届け先はあなたが決め、
届け方は一緒に考える。

今日、ひとつだけやってみてください

今日、作家がやることの流れの表。作品が飾られている部屋を1つ思い描く、その部屋で暮らす人を書く、その場面に合う作品を1点選ぶ
今日、作家がやること

あなたの作品が飾られている部屋を、1つだけ思い描いて書いてみてください。玄関か、寝室か、お店の壁か。

次に、その部屋で暮らす人を書きます。年代、仕事、休みの日の過ごし方。想像でかまいません。

最後に、その場面にいちばん合う作品を1点選んでください。部屋が1つ決まれば、届け先は1人見えてきます。

1人が見えたら、その人に向けて作品に一言を添える。次の展示や投稿は、その1人に話しかけるつもりで準備してみてください。

書いた人物像は、作品の説明を書くときの話し相手にもなります。

届け先は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。届けてみて、反応を見て、少しずつ描き直していけばいいのです。

作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する

出典

  • 鑑賞の状況:文化庁「文化に関する世論調査」報告書(2024年3月・全国18歳以上24,996人)
  • ネット販売:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月)