
こんな迷いはありませんか
「値段をいくらにすればいいか分からない」
高くすると、誰にも買ってもらえない気がする。安くすると、自分の作品を下げている気がする。
迷った末に、周りの作家に合わせた値段をつける。けれど、その値段の理由を聞かれると、うまく答えられない。
値段を書いた札を作品の横に置くとき、手が止まる。「高いね」と言われる場面を想像して、つい数字を下げてしまう。
値段の悩みは、作品への自信の悩みとも重なっています。だから、多くの作家がここで長く迷います。
ここで、ひとつ考えてみてください。今の値段を、買う人に1行で説明できますか。
値段は、作品の横に並ぶ小さな数字です。けれど買う人にとっては、作品をどう受け取ればいいかを知る、大切な手がかりになります。
値段は、
作品を伝える言葉のひとつ。
あなたは、なんとなく決めた値段のまま、作品を並べていませんか。
理由のない値段のままだと、どうなるか
調べたことを、先にお伝えします。作家が値段をどう決めているかを調べた、全国の調査は見つかりませんでした。数字が無いので、ここでは作りません。
そのうえで、値段を決める場面そのものを見てみます。仕事を受けるフリーランスへの、国の調査があります。

報酬の額を「十分に話し合って決めた」と答えなかった人は、67.1%にのぼりました。値段の話し合いは、多くの人にとって苦手な場面なのです。
高い作品ほど、買う人は慎重になります。理由の分からない値段は、迷っている人の背中を押してくれません。
値段は、一度つけると簡単には上げにくいものです。最初の値段こそ、理由を持って決めておきたいところです。
反対に、根拠なく安くつけると、次の作品もその値段が基準になります。値下げを頼まれても、断る理由が見つかりません。
同じ調査では、値上がり分を報酬に上乗せできなかった人も多く、62.5%でした。値段を据え置いたままでは、手元に残るお金は減っていきます。
決めきれないまま、展示のたびに数字を変える作家もいます。前の展示を見た人ほど、どれが本当の値段なのか分からなくなってしまいます。
作品ごとに値段の考え方がばらばらだと、並べたときに買う人も戸惑います。どれが自分に合う作品なのか、選ぶ手がかりが無くなってしまうからです。
理由のない値段は、
迷う人を止めてしまう。
外から見てきた、わたしの感覚

わたしはアート業界の外から来た人間です。外から見て、感じていることがあります。
一般の人にも、欲しいと思えば買えるお金はあります。とても高い作品は無理でも、一般的な値段の作品なら買える人はたくさんいる。これが、わたしの感覚です。
しかも、その一般の人の市場は、高額の作品を買う人の市場より、圧倒的に大きいのではないか。わたしはそう感じています。
ただ、初めて作品を買う人にとって、値段の相場は分かりにくいものです。値段の理由が見えないと、高いのか安いのかさえ分からず、手が止まりがちです。
わたしが初めて作品を買ったとき、心をつかまれたのは原画の力でした。原画の力に心が動いた人が、値段の理由まで知ることができる。そうなれば、初めての1点に手を伸ばしやすくなります。
だから、値段は「高いか安いか」より「理由を言えるか」が大切になります。理由があれば、初めて作品を買う人も安心して選べます。
買える人はいる。
値段の理由が見えないだけ。
答え合わせ:確かめられたこと、まだのこと
この感覚を、数字で確かめます。
けれど、一般の人がいくらまでなら作品を買うのか。それを確かめられる国の調査には、たどり着けませんでした。
言えるのは、作品の世界では、値段の理由が書かれていないことのほうが多いということです。理由が見えない値段は、比べようがありません。
「一般的な値段なら買える人がたくさんいる」という感覚は、今回は確かめられませんでした。当たりとも外れとも決めず、確かな数字が出るのを待ちます。
だからこそ、値段の理由を言葉にしておくことが効きます。大きさ、素材、かけた時間、これまでの展示。理由が見えれば、初めての人も自分の予算と比べて選べます。
たとえば、同じ大きさの作品は同じ考え方で値段をそろえる。大作には、かけた時間の分だけ理由を添える。それだけで、並んだ作品の値段に筋が通ります。
理由のある値段は、作家自身も守ります。値下げを頼まれたときも、落ち着いて話せるようになります。
初めての1点は、
説明できる値段から。
7ARTSで、一緒にできること

7ARTSには、作品の値段の目安を出す道具があります。値段に迷ったとき、ひとりで決める前の土台として使えます。
目安は、答えではありません。目安を土台に、あなたが作品に込めた時間や思いを足して、最後は自分で値段を決めてください。
道具は、迷いを消すためではなく、迷いを言葉にするために使ってください。目安と自分の値段の差が、そのままあなたの作品の説明になります。
7arts.jpの作家ページでは、作品ごとに値段を載せて販売できます。見た人からは、購入やオファーが届きます。
作品証明書もあります。どの作家の、どんな作品なのか。その確かな記録が、作品と一緒に残ります。
サイトは5か国語で表示できます。海外の人も、値段と作品を見比べて選べます(解決策2 外国語表示)。
値段の理由を言葉にするのは、作家自身の仕事です。道具の目安と、あなたの言葉。その2つがそろうと、値段は作品を伝える力になります。
目安は道具で、
最後の一押しはあなたの言葉。
今日、ひとつだけやってみてください

今、値段をつけている作品を3点選んでください。
その3点それぞれに、「なぜこの値段か」を1行で書いてみます。大きさ、素材、かけた時間、どれでもかまいません。
1行が書けない作品があれば、そこが見直す所です。値段の目安と見比べて、理由を考え直してください。理由が1行で言える値段は、買う人にもそのまま伝わります。
書いた1行は、作品の説明文にもそのまま使えます。聞かれる前に値段の理由を見せておけば、買う人は安心して作品と向き合えます。
値段に迷う時間は、作品に自信がない時間ではありません。作品の伝え方を整えている時間です。理由が書けた作品から、順に札を書き直していきましょう。
3点で慣れたら、残りの作品にも少しずつ広げてください。
作品と新しい人が出会う場所を、一緒につくりませんか。7ARTSに作家として登録する
出典
- フリーランスの取引:公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)結果 概要」(2024年10月)



